2024/07/08 23:31
珈琲への道 13 バリ島珈琲ツアー
4月23日夜9時、香港空港に向け出発。
夜中2時半の飛行機で、バリ島に向かう。
5年前の社員旅行以来、2度目のジャワ島訪問だ。
真夜中の、しかもジャンボ機にもかかわらず満席状態。 若いカップルと団体さんが目立つ。
聞こえてくる声からすると香港ではなく中国人が多いようだ。 不景気とはいえまだまだだ。
午前7時半、バリ島のでデンパサール空港に到着。 事前のオンラインビザが何度やってもうまくいかず心配したが、
空港ではあれほど面倒だった申告書すら書かず、50万ルピー(5,000円)を払うだけで入国できた。
聞いていたのとは違い、とてもおおらかだ。
遅刻を心配していたがなんとから10分ぐらいで空港を出られた。
午前9時、全員集合。 そして川野さんが現れて出発。
このグループは13名の参加となった。 我々は3泊4日のスケジュールだが、この後の2-4班は2泊3日となり、リーダーも
川野さんの社員が務める。 私は川野さんにお会いするのが主目的なので、価格も高かったが真っ先にこのグループに申し込んだ。
さて、参加メンバーだが、予想に反して喫茶店のオーナーやスタッフは一人もいなくて、全員がコーヒーが大好きでたまらない、
しかも川野さんの大ファンたちだ。 川野さんご自身もこのメンバー構成は意外だとおっしゃっていた。 コーヒーの評価を
コーヒー屋さんたちにしてもらおうという私の意図は外れたが、 これはこれでとても楽しみだ。
川野さんは39歳。 メンバーは、一人だけ70歳の方がいてあとは30代、20代、大学生も1名。 女性は5名。 コンサルタントが3名。
仕事をしていない方が1名。 もう一人はオーストラリアにワーキングホリデイで出かけ、珈琲にはまって現地のコーヒー店でバリスタを
やっているという。 男性の職業は様々だ。 ほとんどの人が有給休暇を取って参加している。 参加費の15万円と往復の航空券も
彼らにとってかなりな負担と思われるが。お一人気がが合いそうな年齢が近い人がいたので、少しほっとした。
マイクロバスで出発。 途中で簡単な朝食。 空港は最南端の海辺にあり、目指すコーヒー農園は北部の高地にある。 約3時間の行程だ。
昼食後、次の日に収穫を行うコーヒー農園の見学に出かけた。 ここは比較的低地、850mぐらいの標高にある。
夕方、宿泊場所の ECO BIKE COFFEE に到着した。
2017年、川野さんがここを訪れ、精製の仕方などが悪くて品質が上がらないのを見て、友人の紹介でBAIさんという人とタイアップし、
クラウドファンディングで資金を集めて、ここに珈琲の精製所とコーヒーショップ、そして宿泊のできるヴィラを建設したとのこと。
資本比率とかは不明だが、とにかく深く関与されているし、ここのコーヒーをおいしくしようという意気込みが伝わってくる。
スタッフたちも彼を尊敬し、すべての面で頼りにしている。
BAIさんと奥さんのYUIさんが精製も含め現地を仕切っている。
素晴らしい、性格の良いご夫婦である。 スタッフたちもみんな優しくて親切だ。
国民性もあるのだろうが。
次の日はあいにく小雨模様の天候だったが、午前中からコーヒーチェリーの収穫に出かけた。
半分のメンバーはトラックの後部に立って乗ったが、楽しんでいた。
コーヒーの木がオレンジツリーの間に整然と植えてあるので、摘みやすい。 ただ、ほとんどの
チェリーはまだ熟しておらず、収穫できるのはほんのわずかだ。 中国では収穫期の最終段階
というのもあって、チェリーが真っ赤に熟し、たわわに実っていた。 聞くと、収穫時期はやっと
始まるところで、6‐7月が最盛期になるという。 地方によって、農園の行程によって
収穫時期は大きく異なるようだ。 こんなことなら6月ぐらいにツアーを組んでくれれば、と
思うがやむを得ない。 全員1-2時間奮闘して、ようやく4キロほどの収穫があった。
ここでもお店のスタッフがおいしいコーヒーを淹れてくれ、ヴィラの弁当を楽しんだ。
ヴィラに戻り、コーヒーを飲みながら川野さんの講義を聴く。
コーヒーの種類、精製方法、そしてバリ島の宗教など。 ここの豆は、コピヨールという
ハイブリッド(いろいろな種のかけ合わせでできた)を栽培しているという。
川野さん 社長のBAIさん
ECO BIKE COFFEEは、バトゥア山を望む急斜面の高台に建てられていて、絶景だ。
外のテラスを多く配置して景色が楽しめるようになっている。 ガラス張りのプランテーションのような部屋(客席)もある。
2階にはコーヒーの焙煎所、地下には本格的なピザ窯も設置してあった。 日本から職人を招いて指導してもらったというから本格的だ。
我々の宿泊所は急斜面を降りた途中にある。 我々年寄り2人は一番上の建物にしてもらったが、それでも店まで登っていくのは
息が切れた。 若者たちの建物はもっと下のほうだった。
2-3人部屋というのでタコ部屋を想像していたが、ベッドも立派で、2階(中2階?)もとてもゆったりしていた。 写真を参照。
社長のBAIさんは元々建築士で、店や下のヴィラもご自分で設計したとのこと。 急斜面にもかかわらず、うまく景観も大事にして
建てられている。
驚いたことにこの道筋には25軒のコーヒーショップが建ち並んでいる。 スターバックスもその中の1軒。 最近の新しい店は
建物もきれいで人目を引くが、 ECO BIKE は味勝負。
中には旅行会社に売り上げの50%を払っている店もあると聞いた。 すでに一部では過当競争も始まっているのだろう。
朝5時半から開店しているが、我々が7時に着く頃にはたくさんのお客さんが入っている。
川野さんの指導もあり、2021年にはインドネシアの大会で優秀賞、そして2023年、一人のバリスタがバリ島の大会で2位に入るという
偉業を成し遂げている。 これからも頑張って繁盛していただきたいと思う。
正面には雄大なバトゥア山。 活火山で4年前も小噴火があったとのことで、上のほうは火山灰で黒くただれている。
2日目の朝はあいにく曇っていたが、3日目は素晴らしい日の出が観れた。 壮観な景色だった。
言葉で説明するより、写真を見ていただいたほうが理解しいただけると思う。
スケジュールはゆったり組まれていて、朝食は7時からだが、みんなでコーヒーを楽しみながら団らんする時間が長い。
雄大な景色を前に、こちらのいろんな種類のコーヒーをかわるがわる楽しめ、若い人たちと交流もできた。
皆さん、若いがコーヒーに関しては一家言を持ったマニアたちである。 日本でもいろんな珈琲店を飲み歩いたり、カッピングに
参加したり、とにかくコーヒー事情に詳しい。
ここで、私と歳が近い宗像さんについて。
70歳。 ひげを蓄え、頭にはバンダナ、サムイを着用して、とにかく絵になっている。
カメラマン(?)が多く、LINEに2000枚近い作品をいただいたが、中でも彼の存在感は
際立っている。 通信系のエンジニアで、今はフリーで半分仕事、半分遊び、普通は郡山在住
で有機農業に従事しているとのこと。 3人のお嬢さんがいて、3番目の方が以前川野さんの
コーヒー店で働いていた縁でお知り合いになり、ツアー参加は去年に続き2回目とのこと
だった。 師匠、師範代、おひげさんなどと呼ばれ、若者たちに大人気だった。
今回、4日間ご一緒させていただいて、うれしかった。 これからもお付き合いができそうだ。